陥りやすい手作り甘酒の落とし穴?!
やっと気づいた発酵ブーム
今、まさに発酵ブームが起こっているそうですが、そのブーム実感されていますか?
私は約1年前に麹を知り、そこから急に発酵食品に目覚めたので、それまでどの程度、麹や発酵食品が認知されていたのか詳しく知りません。
しかし、数ヶ月前から、「発酵」「甘酒」という言葉を目にする機会が増え、スーパーに甘酒が並び出し、いつの間にか甘酒コーナーができているのを見た時に初めて
「あれ?もしかして発酵ブームがきてる?」
と思いました。
市販の甘酒と手作りの甘酒の違い
発酵ブームで甘酒が注目され始めたことで、市販の甘酒を購入して飲むだけではなく、麹を購入し自分で甘酒をつくられる方も増えました。
「手作り」と聞くと、何となく良いイメージがしますが、市販の甘酒と手作りの甘酒の違いはご存知でしょうか?
一番の違いは、「菌が生きているかどうか」です。
市販の甘酒は、発酵が進まないように加熱処理が行われています。
「麹菌は70℃以上の温度で死んでしまう」と言われているので、加熱処理をされることで麹菌は死んでしまっています。
「死んでしまう」と聞くと、何だか少し残念な気がしますが、もし加熱処理をされずに
工場から出荷され→トラックで運搬し→スーパーに陳列されるとなると、
私たちの手に届く頃には、発酵がどんどん進んでしまい、味もバラバラになってしまいます。
また、ペットボトルやスクリュー式の容器の場合は、発酵が進みガスが発生することで容器が膨らみ破裂してしまう可能性もあります。
先日、日東醸造さんのしろたまりを購入したら、蓋から泡がぷくぷくと出て中の醤油が少しずつ漏れ出していました。
「もしかして…」と思い、そろ〜りと慎重に栓を開けると、ぷしゅっと中から風が吹き出し、醤油の表面が炭酸の様にしゅわしゅわ泡立っていました。
火入れをしていない生醤油なので、発酵が進んでいたのです。
本物のお醤油はそんなことが起こるのですね。
と、話が逸れましたが、一部の商品を除き、市販品のほとんどは加熱処理され発酵がストップしています。
そのため、菌が酵素をつくりだす働きや、酵素が物質を分解する働きはありません。
菌は死んでいる状態でも腸内環境を整える役割があり、
加熱処理をする前に酵素の働きによって作り出された栄養素は損なわれないと言われています。
なので、市販品は全く身体に良い効果がないという訳ではありません。
手作り甘酒の落とし穴?!
甘酒を手作りする場合、温度の調整ができるため、70度以上に加熱しないように注意すれば、菌や酵素が生きている状態をつくりだすことができます。
生きた菌や酵素が沢山含まれている甘酒は、お肉をより柔らかくしてくれたり、腸内環境を整えてくれたりといいことが沢山あります。
しかし、甘酒を砂糖の代わりに調味料として使用するとき、一つだけ注意が必要なことがあります。
それは、加熱処理をしないとどんどん発酵が進んでしまうということです。
先ほどの市販の甘酒の反対のことなので当たり前のように聞こえますが、実はここによく陥ってしまう落とし穴が潜んでいます。
甘酒を料理に入れてから加熱するのではなく、加熱処理をした料理に後から甘酒を入れた場合、時間の経過とともに炭水化物やタンパク質が分解され、料理がどろどろになってしまいます。
しかも、私が作っている甘酒は自家製生麹を使っているため、市販の麹よりも菌がとっても元気です。
この話を麹クリエイター講座で聞いていたにもかかわらず、肉じゃがを作ったときに後から甘酒を入れてしまい、肉じゃががどろどろに溶けてしまったことがあります。
完全に「あ〜やってしまった〜」となりました。
甘酒酢飯
意外な落とし穴がある手作りの甘酒ですが、我が家では入れるタイミングを注意しながら料理にどんどん利用しています。
昨日の夕食は手巻き寿司で、もちろんポイントは甘酒酢飯です。
ご飯が茶色いのは、今回初めてあるものをいれてみました。
主人に砂糖ではなく甘酒を使っていることがバレるときっと嫌がられるので(お寿司が好きなので、うるさいんです)黙っていたら、
「え⁈今日の酢飯、茶色くない?」
と、すぐに異変に気づかれました。
「そう⁈黒糖使ってるからじゃないかな〜?」
と、かわすと意外と納得してくれたようで
「美味しい。美味しい。」
と、食べてくれました。
我が家は食いしん坊が沢山いるので、3合でも一食でぺろりとなくなりますが、残った酢飯を置いておくと発酵が進んでしまうので要注意です。
砂糖の代わりとして甘酒を使う場合は、
加熱前に甘酒を入れるか
加熱後に甘酒をいれるか
タイミングに注意してみてください。